口の中や舌に白い斑点ができる口腔カンジダの症状や治療法を解説
2024/12/20
こんにちは、国立駅徒歩3分の歯医者、国立深澤歯科クリニックです。
口腔内に白い斑点が現れると、多くの人が心配になることと思います。
そのような症状が出る病気の一つに「口腔カンジダ」があります。
本記事では、口腔カンジダの特徴や症状、原因、治療法、予防法などについてご紹介します。
口腔カンジダとは
口腔カンジダ症の定義
口腔カンジダ症は、カンジダ属の真菌が口腔内で異常増殖することによって引き起こされる感染症です。
カンジダ菌は口腔内に常在しており、健康な状態ではほかの口腔内微生物とのバランスが保たれていますが、免疫力が低下するなどの要因によりこのバランスが崩れることがあります。
その結果、菌が異常に増殖し、口腔内の粘膜に白い斑点や膜を形成してしまいます。
また、口腔カンジダ症にはいくつかの種類があります。
口内に白い斑点ができるのは、偽膜性カンジダ症であり、カンジダ症の中でも多くの方が発症しやすいものです。
また、肥厚性カンジダ症でも白い苔上の斑点が発生しますが、この斑点は次第に硬くなり、拭きとれなくなるのが特徴です。
そのほかに、紅斑性カンジダ症と呼ばれる、口の中が赤くひりひりとした状態になる種類もあります。
口腔カンジダ症が発症しやすい人
口腔カンジダ症はあらゆる年齢層で発症する可能性がありますが、特に乳幼児、高齢者、抗生物質やステロイドを長期間使用している方、糖尿病を患っている方のリスクが高いとされています。
これは、その方自身の免疫力の高さや、服薬・病気による免疫力への影響が関係しています。
口腔カンジダ症の症状
口腔カンジダ症の代表的な自覚症状としては、舌や口の中の粘膜などに現れる白い苔上の斑点があります。
これらは初期の場合には拭くと取れ、症状が進行すると取れなくなっていきます。
また、ヒリヒリ・ピリピリとした痛みは、口腔カンジダ症の初期の自覚症状として多くの方が経験します。
そのほか、唇や口角の荒れ、口腔内の乾燥が症状として現れることがあります。また、舌が赤くつるんとした状態になったり、口の中に苦みを感じたりするのも、口腔カンジダ症の症状です。
口腔カンジダ症の原因
免疫力の低下
免疫力の低下は口腔カンジダ症の主な原因です。
免疫力が低下する原因としては、ステロイド薬の長期使用、糖尿病、がん治療、AIDSなどが挙げられます。
これらの状態では、免疫システムが弱体化し、カンジダ菌の抑制ができなくなるため、菌が異常増殖しやすくなります。
免疫力が低下すると、カンジダ菌を含むさまざまな病原体に対する抵抗力が減少し、感染症が発生しやすくなります。
入れ歯の不適切な使用と口内の乾燥
入れ歯がお口にフィットしていなかったり、清掃が十分でなかったりすると、カンジダ菌が繁殖しやすい環境が整ってしまいます。
特に、夜間に入れ歯を装着したまま寝ることは、菌の増殖を促す要因の一つです。
また、口呼吸や加齢による唾液の減少も口内の乾燥を引き起こし、カンジダ菌の増殖を助長します。
セルフケア不足
お口の中にはカンジタ菌をはじめとしたさまざまな菌が常在しています。
日々、正しくセルフケアが行われていれば、これらの菌はバランスが保たれ、増殖することもありません。
しかし、セルフケアが不十分だったり、セルフケア方法が間違っていたりすると、残った食べかすなどをエサにカンジタ菌が増殖してしまいます。
口腔カンジダ症の診断方法
口腔カンジダ症を診断する際の基本的な流れとしては、まずは医師や歯科医師による視診と問診が行われます。
口腔内の白い斑点や膜の状態、病歴や服用中の薬についての確認を行うほか、口内の乾燥状態やほかの異常がないかなども確認します。
視診で口腔カンジダ症が疑われる場合、培養検査などのさらに詳しい検査が行われます。
培養検査では、綿棒でぬぐって取ったサンプルを培養してカンジダ菌が増殖するかどうかを確認します。
口腔カンジダ症の治療法
抗真菌薬の使用
口腔カンジダ症は、抗真菌薬を使用して治療を行います。抗真菌薬には、塗り薬やうがい薬、内服薬などいくつかの種類があります。
症状が軽い場合には塗り薬やうがい薬の使用で改善することがほとんどですが、難治性の場合には内服薬の服用が必要になります。
セルフケア
口腔カンジダ症の治療・予防のためには、歯磨きやデンタルフロスの使用により、口内環境を清潔に保ち、カンジダ菌の増殖を防ぐことが大切です。
特に入れ歯を使用している場合は、洗浄と乾燥を日々行い、正しく管理しましょう。
健康管理と生活習慣の改善
免疫力が低下している人や糖尿病を患っている方などは、全身の健康管理が必要です。
バランスの良い食事や適度な運動を心がけ、免疫力の強化を図りましょう。
喫煙や過度の飲酒は免疫力を低下させるため、これらの習慣を控えることも大切です。
口腔カンジダ症の予防法
セルフケアの習慣化
口腔カンジダ症の予防には、毎日の正しいセルフケアが欠かせません。
丁寧な歯磨き、デンタルフロスや歯間ブラシといった補助用品の使用を習慣化することで、口腔内の環境を清潔に保ちましょう
。また、唾液による自浄作用を高めるために、こまめに水分を取ったり、キシリトールガムをかんだりと唾液分泌を促すことも大切です。
食生活の見直し
糖分の多い食品や飲料を控え、バランスの良い食生活を心がけることも重要です。
栄養バランスを考えた食事をとることで、免疫力を維持できるようにしましょう。
禁煙と飲酒の節制
喫煙や過度の飲酒は口内環境を悪化させるため、これらを控えることは虫歯や歯周病だけでなく、口腔カンジダ症の予防にも役立ちます。
定期的な歯科検診の受診
定期的に歯科検診を受けることで、お口の健康状態を維持し、トラブルが起きた場合にも早期発見と治療が可能になります。
また、歯科医師や歯科衛生士から、ブラッシング指導やオーラルケア用品の説明を受けることで、セルフケアをより効率的に行えるようになります。
まとめ
口腔カンジダ症は、正しい口腔ケアと生活習慣の見直し、そして専門的な診断と治療により予防・治療することができます。
日々のセルフケアを習慣化し、定期的な歯科検診の受診を心がけることで、健康な口内環境を維持していきましょう。
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