できるだけ抜かない・削らない・痛みの少ない治療を
痛みの少ない治療
歯の治療は痛い、怖いというイメージがあります。
患者さんの中には、歯科治療が怖くて涙を流す方もいらっしゃいます。
そのようなお気持ちも大切にして、当院では痛みや身体の負担をできるだけ減らすように心がけております。
麻酔注射をする時には、注射針を刺す・注入する痛みを軽減できるように、一定の速度で注入できる電動麻酔器を使っています。
さらに、患者さんのご希望やお身体の状態に合わせて、針を使わないシート状の麻酔も対応可能です。
痛みに不安や恐怖心がある方は、安心してご相談ください。
導入している機器
注射が苦手な患者さんのために
表面麻酔
麻酔注射をする時の痛みのほとんどは、「注射針を刺す痛み」です。
当院では麻酔を打つ前に、歯ぐきに表面麻酔剤を塗り、麻酔が効いているのを確認してから麻酔注射を行うなど、痛みに配慮した治療を行っています。
極細針(33G)
麻酔を打つ時の針は、細ければ細いほど、痛みを少なく抑えることができます。
歯科医療で使われている麻酔針は、一般的には「30ゲージ(0.25mm)」の針が使われておりますが、の針が当院では、最も細い「33ゲージ(0.2mm)」の針を使用しています。
上記の表面麻酔と併用することで、麻酔針を刺す時もあまり痛みを感じずに打つことができます。
注射の痛みを減らすために
電動麻酔器
麻酔注射を人の手だけで行うと、圧力にムラが出やすいため、痛みを感じやすくなります。
そのため、当院では電動麻酔器を使用しています。
コンピューター制御のため、麻酔液を一定の圧力でゆっくりと注入でき、痛みを軽減することができます。
麻酔の量も通常の半分ほどで済むため、身体への負担もより抑えられます。
治療中にリラックスできるように
笑気麻酔
酸素に亜鉛化窒素を混ぜた「笑気ガス」を鼻から5分ほど吸入していただきます。
それだけで鎮静状態になり、意識はあるままでリラックスして治療を進められます。
治療後に吸入をやめると徐々に意識がハッキリしていきます。ふらつきや不調がなければ、そのままご帰宅いただけます。
歯科治療に不安がある方は遠慮なくお知らせください。
削る部分をなるべく少なく
当院ではMI(ミニマルインターベンション)という概念のもとに治療を行っております。
その言葉の意味は、「歯を削る量を必要最小限にすること」です。
歯を削れば削るほど、ダメージは大きくなり歯の寿命も短くなります。従来の治療法では、銀歯を詰める場合、取れにくい形にするため健康な部分も削らなければなりませんでした。
ですが、悪い部分だけを削って、歯と同じ色の材料(接着性レジン)を詰める方法を用いることにより、銀歯にせずにその日のうちに白い歯で治すことが可能になります。
奥歯の間の虫歯などで銀歯にせざるを得ない場合でも、極力削る量を少なくしております。
高倍率歯科用ルーペを使用した精密治療
当院では、より精密な医療を提供するため、保険・自費問わず、治療の際には拡大鏡や、必要に応じてマイクロスコープを使用して治療をさせて頂いております。
裸眼では見えにくいような細かな部分も拡大鏡を使ってしっかりと確認しながら処置を行うことで、削りすぎを防ぐことはもちろん、削り残しも防ぎ、虫歯が再発してしまうリスクを低く抑えるよう尽力しております。
コンポジットレジン(CR)修復
虫歯を取り除いた後、削った部分を修復するための方法として、一般的には「かぶせ物」や「つめ物」による修復が行われます。
ですが近年では材料の進化により「コンポジットレジン(CR)」と呼ばれる接着性の高い樹脂製の素材も開発され、さらに削る量を抑えることができる接着修復法と呼ばれる技術も確立してきました。
当院でも、このような技術を積極的に取り入れております。
それぞれの方法にメリット、デメリットがありますし、患者さまのお口の中の状態によっても適切な方法が異なりますが、さまざまな治療方法の中から患者さまにとって一番負担が少なく、メリットが高い治療方法をご紹介するよう努めております。
う蝕検知液
う蝕検知液とは、虫歯になっている部分のみを染め出すことができる薬剤です。
虫歯治療を行う上で何よりも大切なことは、虫歯に感染した部分を取り残しなくしっかりと除去することですが、いくらキャリアのある歯科医師でも健全な歯と虫歯の部位を完璧に見分けることは不可能で、歯を残すことを意識しすぎるがあまり虫歯の除去が不十分だったり、時には健康な歯までも削ってしまう事もあります。
そこで当院では、必要に応じてう蝕検知液を使用して虫歯部分を染め出し、しっかりと目で確認しながら虫歯の取り残しや歯の削りすぎを防ぐように努めています。
神経はなるべく保存します
歯の寿命は神経が残っているかどうかで大きく変わってきます。
当院では、様々な薬剤を用いて、できるだけ神経を残す治療をしております。
MTAセメント
MTAセメントとは、1998年にアメリカで販売され、日本では2007年に販売を開始した歯科用セメントです。
殺菌効果が非常に高く、虫歯の不活性化をはじめ、神経の保護や根管の内部を埋める根管充填などさまざまな処置で応用が可能です。
特に、虫歯が進行して神経にまで達した場合には、むし歯が進行したところまでの組織を取り除きMTAセメントによって蓋をすることにより、従来では神経を抜いていた症状でも神経を保存出来る可能性が高まりました。
ただし全てのケースに適応されるわけではなく、MTAセメントを用いた場合でも状態によっては抜髄が必要となるケースもありますので、まずは神経を残せる可能性があるかどうか、ご相談いただければと思います。
深い虫歯でも、できる限り残します
虫歯が進行し、根っこの部分しか歯が残されていない状態になってしまうと、一般的には抜歯が必要と判断されます。それは、歯のふちが歯茎の中に埋まってしまっている状態では適合性の良い被せ物が作れなかったり、また無理やり作ったとしてもすぐに根っこが割れてしまい、すぐに抜歯が必要になってしまうからです。
ですがそのような場合でも、「歯のふちを歯茎より上に持ってくる処置」を行うことが出来れば、歯を残せる可能性は十分にあります。
歯のふちを歯茎よりも上に持ってくる処置については、主に「歯冠長延長術(クラウンレングスニング)」という方法と、「矯正的挺出(エキストルージョン)」という方法がありますが、症例によってどちらの方法を選択すべきか、もしくは両方を併用すべきか、見解が異なりますので、まずは歯科医師にご相談ください。
歯冠長延長術(クラウンレングスニング)
歯の周りの骨を削って歯茎を下げることで、歯のふちを歯茎より上に出していく処置です。
歯茎が下がってしまうという問題点もありますので一般的には奥歯の治療で用いられることが多く、前歯で行う際は下記の矯正的挺出(エキストルージョン)と併用して行うことがほとんどです。
また、一般的にクラウンレングスニングを行った場合は根面カリエス(露出した歯の根っこの部分にできる虫歯)になりやすいと言われておりますが、適合の良いかぶせ物でしっかりと覆ってあげることでそのリスクも下げることができます。
とはいえ、まったくリスクがないわけではありませんので、定期的に歯科医院に通ってメンテナンスを受けるとともに、術後の経過観察をしてもらうようにしましょう。
矯正的挺出(エキストルージョン)
部分的な矯正で歯を引っ張りあげてることで、歯のふちを歯茎より上に出していく処置です。歯茎を傷つける事がありませんので審美性を保つことができます。
歯を引き上げるための装置を一定期間口の中に装着しなければいけませんので、治療期間が長くなってしまうという問題もありますが、治療期間中は仮歯をいれて見た目に支障がないよう配慮いたしますので、普段通りの生活を送っていただけるかと思います。
ただし、治療後も引っ張り出した歯が戻らないように固定する期間が必要ですので、治療スケジュールについて担当の歯科医師としっかりと確認するようにしましょう。