【歯科医が徹底解説】セラミック治療後のトラブルを防ぐために知っておくべき7つのポイント
2025/06/20
美しいセラミック治療も「トラブルなし」とは限らない?

こんにちは、国立駅徒歩3分の歯医者、国立深澤歯科クリニックです。
近年、銀歯に代わる審美的な治療として「セラミック治療」が人気を集めています。
透明感のある美しい見た目に加え、金属アレルギーの心配がない、歯ぐきが黒ずまないなど、多くのメリットがあります。
しかし一方で、「セラミックを入れたのにすぐ外れた」「違和感が残る」「噛み合わせが変わってしまった」など、治療後のトラブルに悩む方も少なくありません。
こうしたトラブルの多くは、治療前の準備・治療中の技術・治療後のセルフケアのいずれかに問題があったことが原因です。
本記事では、セラミック治療後に起こりやすいトラブルを未然に防ぐために、患者さま自身が知っておくべきポイントを7つにまとめて詳しく解説します。
1. 【事前準備】「土台」の状態が悪いとすべてが台無しに

セラミックの詰め物や被せ物(クラウン)は、いわば「建物の外壁」のようなもの。
その下にある歯の根や土台がしっかりしていなければ、いくら良い素材を使ってもトラブルが起こります。
具体的なトラブル例
土台の虫歯が再発してセラミックの下に黒ずみができる
根の治療が不完全で痛みが再発し、セラミックを外して再治療に
歯根破折(歯の根が割れる)で抜歯が必要になる
対策は?
根管治療が必要な場合は、マイクロスコープやCTを使った精密な治療を受ける
土台には強度と接着性の高いファイバーコアなどを選択
虫歯の再発を防ぐため、セラミックを入れる前に虫歯の完全除去を確認
2. 【治療中の精度】適合が甘いと「すき間から虫歯」になる

セラミックは精密な型取り・設計・接着が不可欠な治療です。
技術力が低い医院で行うと、「すき間」や「段差」が生まれ、虫歯や脱離の原因になります。
よくあるトラブル
治療後数年で「セラミックの下が虫歯」に
食べ物が詰まりやすくなり、歯ぐきが腫れる
噛んだときの違和感・高さの不具合
対策は?
型取りにはシリコン印象材や口腔内スキャナー(3Dスキャン)を使用
補綴物は技工士との連携・マイクロスコープでの確認を行っている医院を選ぶ
初期の段階で仮歯を使って噛み合わせを精査することも重要
3. 【素材の選択ミス】硬すぎる・柔らかすぎる素材はリスクに

セラミックにはいくつか種類があり、部位や噛み合わせ、習癖(くいしばり・歯ぎしり)によって向き不向きがあります。
ありがちな失敗例
前歯にジルコニアを使って「色が浮いてしまう」
歯ぎしりが強いのにオールセラミックを使い「割れてしまう」
奥歯に柔らかすぎる素材を使い「すり減って噛みにくくなった」
対策は?
強い力がかかる奥歯 → ジルコニア系
見た目が重視される前歯 → オールセラミック
歯ぎしりが強い方 → ナイトガード(マウスピース)との併用を前提に設計
4. 【咬み合わせの調整不足】違和感や顎の痛みに直結

「セラミックにしてから顎が痛い」「肩こりがひどくなった」という方は、咬み合わせの高さや位置にズレがある可能性があります。
主なトラブル
顎関節症の悪化
頭痛や首こり、めまい
側方運動で歯が引っかかり、セラミックが欠ける
対策は?
噛み合わせを確認する咬合器を導入しているなど、咬み合わせについて専門知識のある医院を選ぶ
咬合調整を慎重に行い、必要であれば仮歯の期間を長めに設ける
セラミック装着後も2週間~1ヶ月後の調整を受ける
5. 【セルフケア不足】セラミックでも歯周病や虫歯は防げない

「セラミックにすれば虫歯にならない」と思っている方がいますが、歯と歯ぐきの境目にはプラーク(歯垢)が付き、歯周病や二次虫歯の原因になります。
放置すると…
歯ぐきが腫れてセラミックが浮いてくる
セラミックの下の歯が溶けて再治療
セラミックの寿命が大幅に短縮
対策は?
セラミック治療後も毎日の歯磨き・フロス・定期検診は必須
治療後の歯の使い方や注意点を医院でしっかり指導してもらう
歯科衛生士によるメンテナンス(3〜6ヶ月おき)が長持ちの秘訣
6. 【医院選びの失敗】価格や見た目だけで決めない

ネットで「最安」「即日OK」といった広告につられて医院を選ぶと、必要な診断・検査を省略されたまま治療されるリスクがあります。
患者さまが見落としがちなポイント
使用している技工物が海外製・大量生産品
咬合診断や精密検査なしで即日装着
医師が1人で全て担当、セラミストとの連携がない
安心して治療を受けるためには?
素材の説明や治療の流れを事前に丁寧に説明してくれる医院
歯科用CTや拡大鏡、マイクロスコープを使用しているかを確認
症例写真や口コミをチェックし、過去の実績を把握する
7. 【保証制度・アフターケア】「壊れたら終わり」にならないために

セラミックは「一生モノ」と誤解されがちですが、咬み合わせや生活習慣で破損することもあります。
よくある不安
入れて1年で欠けたが再治療費用がかかった
保証期間が過ぎてすべて自費でやり直しに
引っ越しで元の医院に通えなくなった
対策は?
保証期間と条件を必ず確認
破損時に使える再製作制度があるかを確認
引っ越し先でも相談できるよう、治療記録を発行してもらう
当院では、以下のような安心体制でセラミック治療をご提供しています
セラミック治療を成功させるには、素材の良さだけでなく、診断力・技術力・フォロー体制のすべてが整っていることが重要です。
当院では、患者さまに安心して治療を受けていただけるよう、以下のような取り組みを徹底しています。
1. 精密検査(CT・拡大鏡)による的確な診断
セラミック治療では、歯の状態や噛み合わせ、歯根の状況などを正確に把握する必要があります。
当院では必要に応じて、以下のような精密検査を行い、失敗しない設計を行います。
歯科用CTスキャン
歯の根や骨の状態を立体的に確認できるため、隠れた虫歯や歯根の病変も見逃しません。
拡大鏡(ルーペ)・マイクロスコープ
肉眼では見えない細かな段差や虫歯の取り残しを回避し、精密な形成・接着が可能になります。
咬合診断
噛み合わせのズレを確認し、無理のないセラミック設計を行います。
2. 経験豊富な歯科医師と、連携する技工士によるチーム医療
セラミックの出来栄えは、担当する歯科医師だけでなく、補綴物を製作する技工士の技術にも大きく左右されます。
当院では、精密補綴に特化した歯科技工士と密に連携し、患者さま一人ひとりに合わせたオーダーメイドのセラミックを製作しています。
色・質感・透明感の調整
前歯など目立つ部位には、隣接歯との違和感が出ないよう、細かい色調整を技工士が行います。
直接立ち会って色合わせを行うケースも
必要に応じて、技工士が直接立ち会い、色合わせを行うことも可能です。
3. 噛み合わせまで考慮した長期安定性のある設計
見た目がきれいなだけでは、噛むたびに力の負荷が集中し、セラミックが割れたり、歯が痛くなったりするトラブルが起こりやすくなります。 当院では、見た目の美しさだけでなく、噛み合わせのバランスや力のかかり方まで考慮して設計・調整を行います。仮歯での咬合確認
必要に応じて仮歯を使い、噛み心地や見た目、発音を確認したうえで最終的なセラミックを製作します。
左右バランス・動きの確認
咀嚼時の「スムーズな動き」ができるよう、歯ぎしりやくいしばりの癖もふまえた設計を行います。
4. 明確な料金案内と複数の治療プランのご提案
自費診療であるセラミック治療では、医院によって価格や対応範囲が大きく異なります。
当院では、患者さまにご納得いただいた上で治療を進められるよう、以下の対応を徹底しています。
治療前に詳細な見積書を提示し、費用の不安を解消します
ご希望に応じて、複数の素材・プランを比較提示します
(例:ジルコニア/e.max/ハイブリッドレジンなど)
ご予算に合わせた「段階的治療」や「分割対応」も可能です
(※詳しくはご相談ください)
5. 定期メンテナンス
セラミックを長く持たせるためには定期的なメンテナンスが欠かせません。
当院では以下のようなアフターケアを行っています。
3〜6ヶ月に1回の定期検診
歯科衛生士による専門的クリーニング(PMTC)
噛み合わせチェック、セラミックの状態確認
まとめ:美しく、長持ちするセラミック治療のために
セラミック治療は、単なる「見た目の改善」ではなく、お口全体のバランスを整える重要な治療です。そのためには、素材選び・技術・診断・アフターケアまで一貫した品質が求められます。
当院では、「美しく、壊れにくく、再治療のリスクが少ないセラミック治療」をモットーに、患者さま一人ひとりに丁寧に寄り添った診療を心がけています。
セラミック治療をご検討中の方は、どうぞお気軽に無料カウンセリングへお越しください。
記事監修:歯周病学会認定医 歯科医師 深澤智人
国立深澤歯科クリニック :https://www.fukazawashika.com/
〒186-0002 東京都国立市東1-15-34 2F
電話:042-501-5544
交通アクセス
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