夜になると歯が痛むのはなぜ?痛みの原因や対処法を解説
2024/11/10
こんにちは、国立駅徒歩3分の歯医者、国立深澤歯科クリニックです。
日中は問題ないのに、夜になると歯が痛み、つらい思いをした経験はあるでしょうか。
痛みの程度によっては、眠れないほどのつらさを感じることもあるかと思います。
今回は、そのように歯が痛む際に考えられる原因、また、なぜ夜になると歯が痛みやすいのかについて解説します。
歯が痛くなる原因
歯髄炎
夜に歯が痛くなった際に、まず考えられる原因が歯髄炎です。
歯髄炎とは、主に虫歯が原因で歯髄にまで細菌が侵入し、炎症を起こしている状態のことです。
歯髄は、歯の中にある神経組織と血管のことで、この部分にまで炎症が及ぶと、ズキズキとした強い痛みを感じるようになります。
歯根膜炎・根尖性歯周炎
虫歯や歯周病による細菌感染が進むと、歯周組織を構成している歯根膜の炎症(歯根膜炎)や、歯の根っこの先から周囲の組織・骨の炎症(根尖性歯周炎)が起こります。
根尖性歯周炎は、根管治療後に細菌が残っていた場合や、神経が死んでしまった歯で起こるため、歯自体に痛みを感じることはあまりありません。
しかし、周囲の組織にまで炎症が広がっているため、歯ぐきにズキズキとした痛みを感じます。
智歯周囲炎
智歯とは親知らずのことであり、智歯周囲炎は親知らずの周囲で起こる炎症のことです。
親知らずは、ほかの永久歯よりも生えてくる時期が遅いため、まっすぐ生えるための十分なスペースがなく、横向きや斜めに生えてきたり、隣の歯と重なるように生えてきたりします。
そのため汚れがたまりやすく、ケアが行き届きにくいため、炎症を起こしやすいという特徴があります。
歯ぎしり・食いしばり
歯ぎしりや食いしばりが原因で、歯ぐきや歯根膜、あごの骨などに炎症が起きた場合も、強い痛みが出ます。
痛みが出る歯が複数ある場合や、痛みが出る歯が変わる場合は、歯ぎしりや食いしばりの可能性が考えられます。
また、歯ぎしりや食いしばりが原因で歯にわずかな亀裂が入り、そこから神経が細菌感染を起こして痛みが生じている場合もあります。
歯ぐきの腫れ・炎症
歯周病は軽度の場合には強い痛みが出ることはあまりありません。
しかし、症状が進行して歯ぐきの腫れや炎症がひどくなると、歯ぐきに痛みを感じるようになります。
特に、唾液の自浄作用が弱まり、炎症がひどくなりがちな夜間は痛みが強くなることがあります。
そのほかの原因
歯や歯ぐき以外のことが原因で、歯に痛みを感じる場合もあります。
例えば、神経が障害を起こしている神経障害性歯痛や片頭痛、群発頭痛、心臓性歯痛などでも、歯への痛みを感じます。
そのほか、統合失調症などの精神疾患や副鼻腔炎の炎症が原因で歯に痛みを感じることもあります。
夜に痛みが増す原因
血流により神経が圧迫されるため
寝ているときに痛みが増すのは、横になったために頭部にまで血液が流れやすくなったことが原因の一つだと考えられます。
口周りの血管にもしっかりと血液が流れるようになった結果、血管が拡張し、神経が圧迫されて痛みが出やすくなるのです。
副交感神経が優位になるため
自律神経の一つである副交感神経は、交感神経とともに代謝や呼吸、血液循環などをコントロールしています。
活動時に働く交感神経に対し、休息時やリラックス時に働くのが副交感神経です。
副交感神経が働いている場面では、心拍数は下がり、血管は拡張して血流が増加します。そのため、夜になって身体がリラックスモードに入ると、血管拡張によって神経が圧迫され、歯の痛みが起こることがあります。
入浴や飲酒で血行が促進されるため
入浴や飲酒にも、血流を促進する作用があります。
また、どちらも夜のリラックス時に行うことが多く、入浴では副交感神経が優位になります。
そのため、これらの最中や後には、歯の痛みが増しやすくなります。
夜に歯が痛いときの対処法
冷やす
夜に歯が痛むのは血流の増加が原因であることが多いため、患部を冷やして血流を低下させることで痛みを和らげられる可能性があります。
保冷材や氷をタオルで包んで頬にあてたり、水を口に含んだりして、患部を冷やしましょう。
ただし、知覚過敏などの場合には冷やすことが逆効果になることもあります。
冷やしたことで痛みが増したように感じる場合は冷やすのをやめ、また、氷を直接患部にあてるといったことはしないようにしましょう。
鎮痛剤を飲む
痛みがそれほど強くない場合には、市販の鎮痛剤で和らげられる可能性があります。
効能の欄に「歯痛」や「歯の痛み」と書かれている鎮痛剤であれば服用して問題ありませんので、歯科医院を受診するまでの応急処置として使用しましょう。
うがいや歯磨きをする
痛みの原因が、細菌の蓄積や食べかすによる圧迫だった場合には、うがいや歯磨きをして口内を清潔にすることで和らぐ場合があります。
歯に物が挟まっているのであれば、歯間ブラシやデンタルフロスを使って取り除きましょう。
ただし、力を入れすぎたり、無理に取り除こうとして傷をつけてしまったりすると、炎症が悪化する恐れがあります。
やさしく丁寧に取り除くようにしてください。
歯が痛いときにしてはいけないこと
患部を触る
痛みがある箇所を手やつまようじなどで触ると、炎症を悪化させてしまったり、雑菌を付着させてしまったりする可能性があります。
腫れている場合などに、どんな状態なのか触って確かめたくなることもあるかと思いますが、触るのは避けましょう。
たばこを吸う
たばこに含まれる有害物質は、血管を収縮させ、腫れや痛みなど炎症の回復を遅らせてしまいます。
また、口内の細菌の増殖につながるリスクもあります。たばこを吸って気を紛らわせたくなるかもしれませんが、治療を終えるまでは禁煙するようにしましょう。
入浴や飲酒をする
夜に痛みが出やすい原因としても説明したように、入浴や飲酒は血流の増加につながり、痛みを増加させる可能性があります。
入浴が必要な場合はシャワー浴のみにとどめ、運動やマッサージといったそのほかの血流を促進する行動も控えるようにしましょう。
まとめ
夜に激しい痛みがあり、朝になったら和らいでいたという場合、歯科医院への受診を後回しにしてしまうこともあるかと思います。
しかし、その痛みは再度起こる可能性がありますし、放っておくことで症状の進行や合併症の発症を招く可能性もあります。
痛みが和らいだ場合にも、できるだけ早く歯科医院を受診するようにしましょう。
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