ホワイトスポット(白斑)が歯にできる原因と目立たなくする方法について
2025/11/20
こんにちは、国立駅徒歩3分の歯医者、国立深澤歯科クリニックです。
前歯に現れる白い斑点は「ホワイトスポット」と呼ばれ、軽度のホワイトスポットであれば、専用のケアや処置によって目立たなくすることが可能です。
しかし、原因によっては進行して虫歯や歯の変色につながることもあります。
今回は、ホワイトスポットができる原因やリスク、目立たなくする方法について解説します。
ホワイトスポットとは
ホワイトスポットとは、歯の表面に現れる白い斑点の総称です。
白いものを「ホワイトスポット」、茶色いものを「ブラウンスポット」と呼びます。
斑点が生じる原因はさまざまですが、生まれつき白や茶色の斑点がある場合には、エナメル質形成不全症が関係している可能性があります。
また、口内の乾燥や唾液の減少、口呼吸、ホワイトニングなどの影響で、一時的に白さが目立つこともあります。
さらに、初期虫歯がホワイトスポットやブラウンスポットとして現れることもあります。
ホワイトスポットの原因
虫歯
ホワイトスポットの代表的な原因の一つに、虫歯があります。
初期の虫歯では、歯の表面はまだ溶けていませんが、内部には微細な空洞ができます。
この空洞が光の屈折や透過の仕方によって白く見えることが、虫歯によってホワイトスポットができる原因です。
この段階の虫歯は痛みや自覚症状がほとんどないことが多く、気づかないうちに進行する場合も少なくありません。
そのため、ホワイトスポットを見つけた場合には、初期虫歯の可能性を考え、早めにケアや治療を行うことが大切です。
エナメル質形成不全
ホワイトスポットは、乳歯の外傷や感染症、出生直後の病気や栄養障害、遺伝などの影響で永久歯のエナメル質が正しく作られない場合にも現れることがあります。
この状態は「エナメル質形成不全」と呼ばれ、結晶構造が不完全なために光の通り方が変わり、白く見えるのが特徴です。
特に前歯に現れると目立ちやすく、見た目の印象に影響することもあります。
フッ素の過剰摂取
乳幼児期(生後6か月~5歳頃)にフッ素を過剰に摂取すると、「歯牙フッ素症(斑状歯)」と呼ばれる状態が起こり、歯の表面に白や茶色の斑点が現れることがあります。
ただし、日本では水道水のフッ素化が行われていないため、この症状はほとんど見られません。
また、歯科医院で一般的に行われるフッ素塗布でこの症状が起こる心配も基本的にありません。
ホワイトニング
ホワイトニングを行うと、歯の表面のわずかなムラが原因で、部分的に斑点のように白く見えることがあります。
これは施術後の一時的な変化のため、2〜3日ほどで唾液による再石灰化が進み、自然に目立たなくなるのが一般的です。
ただし、もともとホワイトスポットがある場合は、ホワイトニングによって白斑が一時的に強調されることがあります。
ホワイトスポットを放置するリスク
審美的な影響
ホワイトスポットは特に前歯にできやすいため、笑ったり話したりする際に目立ちやすく、コンプレックスにつながることも少なくありません。
そのまま放置すると、見た目に関するストレスの原因になる場合があります。
虫歯リスク
ホワイトスポットは初期の虫歯として現れることも多く、放置すると進行の可能性があります。
白斑部分はエナメル質が局所的に脱灰し、弱くなっている状態です。
この部分に酸や食べかすが残ると虫歯が進みやすく、特に矯正治療中や口腔衛生が不十分な場合にはリスクが高まります。
ホワイトスポットの治療法
ホワイトニング
薄いホワイトスポットは、歯全体を明るくするホワイトニングで目立たなくすることができます。
ただし、白斑の色差が強い場合や、部分的な処置が難しいホームホワイトニングでは、かえって目立つこともあります。
ほかの方法とは異なり、歯を削らずに施術できる点は、オフィスホワイトニングによるホワイトスポット治療の大きなメリットです。
ダイレクトボンディング
ダイレクトボンディングは、ホワイトスポット部分に樹脂を詰めて白斑をカバーする治療法です。
メリットは、1回の施術で白斑を目立たなくできることであり、特に広範囲や色の差が強い場合に適しています。
一方で、樹脂を詰める際に白斑部分を削る必要があること、樹脂が経年的に変色した場合は詰め替えが必要になること、天然歯に比べて着色しやすいことがデメリットとして挙げられます。
ラミネートベニア
ホワイトスポットの範囲が広く深い場合や、ほかの方法では十分に抑えられない場合には、ラミネートベニアが適しています。
歯の表面を薄く削り、セラミック製のシェルを貼り付けることで、白斑を隠すことができます。
ラミネートベニアのメリットは、セラミックを使用して審美的に安定した仕上がりが得られる点です。
一方で、歯を削る必要があること、治療費が高額であること、将来的な耐久性やメンテナンスも考慮が必要な点はデメリットといえます。
ホワイトスポットの予防法
ホワイトスポットを防ぐには、日々の歯の健康管理が大切です。
まず、毎日の歯磨きで歯垢や食べかすをしっかり取り除きましょう。
フッ素入り歯磨き粉や歯科医院での定期的なフッ素塗布は、エナメル質の再石灰化を促し、初期虫歯や白斑の発生を抑えます。
また、定期的に歯科検診を受けることも重要です。
歯科医師によるチェックでホワイトスポットの早期発見や初期虫歯の処置が可能になります。
まとめ
ホワイトスポットは、歯の表面に現れる白い斑点で、初期の虫歯やエナメル質形成不全、ホワイトニングの影響など、さまざまな原因で生じます。
見た目に影響するだけでなく、放置すると虫歯が重症化することもあるため、早めの対応が大切です。
日常的な予防としては、丁寧な歯磨きやデンタルフロスの使用、フッ素入り歯磨き粉の利用や歯科医院でのフッ素塗布、定期的な歯科検診が挙げられます。
また、すでにホワイトスポットがある場合でも、ホワイトニングやダイレクトボンディング、ラミネートベニアなどで白斑の目立ちを抑えることができます。
それぞれの方法には特徴や注意点があるため、自分の状態や希望に合わせて歯科医師と相談しながら選ぶことが大切です。
記事監修:歯周病学会認定医 歯科医師 深澤智人
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