親知らずを抜いたあとの口臭が気になる?原因と自宅でできる対処法を解説
2025/09/20

こんにちは、国立駅徒歩3分の歯医者、国立深澤歯科クリニックです。
親知らずの手術後は、痛みや腫れだけでなく、口臭が強くなることもあります。
そこで今回は、親知らずを抜いたあとに口臭が起こる原因や、自宅でできる対策について解説します。
親知らず抜歯後の口臭の主な原因
抜歯後の穴に食べかすや汚れが残っていることによる口臭
親知らずは、歯ブラシが届きにくい場所にあります。
そのため、抜歯後にできた穴(抜歯窩)に食べかすや歯垢がたまりやすく、十分に取り除けないまま残ることがあります。
そして、これをエサに細菌が繁殖し、口臭の原因となるガスを発生させることが、抜歯後に口臭が強くなる主な原因の一つです。
抜歯後の数日間は傷口を刺激しないようにブラッシングやうがいを控える必要があるため、食事はできるだけ抜歯していない側の奥歯で行い、汚れがたまらないよう注意しましょう。
血餅(けっぺい)のにおいによる口臭

抜歯後の傷口は、血液が固まって膜のような状態になります。
これを「血餅(けっぺい)」と呼び、血餅は傷の保護や治癒に欠かせない組織ですが、人によっては独特のにおいを感じることがあります。
血餅は治癒の一部であり、病的なものではないため過度に心配する必要はありませんが、においが次第に強くなったり長期間続いたりする場合は、別の原因がある可能性があるため、歯科医院を受診しましょう。
ドライソケットや感染による口臭

親知らずを抜いたあとに強い痛みとともに強烈なにおいを感じる場合、ドライソケットや感染が起きている可能性があります。
ドライソケットとは、抜歯後にできる血餅がうまく形成されず、傷口の骨がむき出しになってしまった状態のことです。
骨が露出していると神経が刺激されやすく、ズキズキとした鋭い痛みが出るだけでなく、細菌が入り込むことで独特の強い口臭が発生することがあります。
また、傷口に感染が起きると、腫れや膿が生じ、さらににおいが強くなることがあります。
これらの状態は自然に改善することがほとんどなく、放置すると症状が悪化するおそれもあるため、早めに歯科医院で治療を受けることが大切です。
唾液減少による口臭

口内の汚れや細菌を洗い流す働きを持っている唾液が、抜歯後に一時的に減ることも口臭の原因です。
唾液が減る原因としては、抗生物質や痛み止めの影響のほか、抜歯後に痛みや腫れを避けようとして片側だけでかむようになり、これによって使わない側の筋肉や唾液腺の働きが低下することなどが挙げられます。
水分補給を心がけたり、保湿作用のある口腔ケア用品を取り入れたりすることが、乾燥による口臭の軽減につながります。
傷の治癒過程で生じる一時的なにおい
抜歯後の傷が改善していく過程では、血液や組織が分解されることで、特有のにおいを感じることがあります。
これは身体の生理的な反応によるものであり、ほとんどの場合は一時的なものです。
通常、数日から1週間ほどで徐々に落ち着き、時間がたつにつれて気にならなくなっていきます。
自宅でできる口臭ケアと予防方法

歯磨き
親知らずの抜歯後に口臭が気になる場合に、まず見直したいのが歯磨きです。
抜歯直後は傷口が敏感になっているため、刺激を与えないよう注意が必要ですが、周りの歯や歯ぐきは丁寧に磨いて、口内を清潔に保つようにしましょう。
うがい
抜歯直後は、強いうがいを控えるように指導されることが一般的です。
ただし、まったくうがいをしないでいると、食べかすや細菌が口の中に残ったままになり、衛生状態が悪化するおそれがあります。
傷口に負担をかけないよう、やさしく口をすすぐ程度のうがいを行うようにしましょう。
舌の清掃
舌の表面に付着する白っぽい汚れを、舌苔(ぜったい)といいます。
舌苔は食べかすや剥がれた粘膜細胞、口腔内の細菌が混ざり合ってできており、口臭の代表的な原因です。
特に舌の奥の方に多く付着しやすいため、専用の舌ブラシや毛先のやわらかい歯ブラシを使い、舌の表面をなでるように優しく清掃して取り除きましょう。
舌苔が多い場合は、一度に取り除こうとせず、毎日少しずつ取り除くようにしてください。
傷口に残りやすい食べ物を避ける
術後の食事では、食べ物の粘着性や形状にも注意が必要です。
餅やキャラメル、チーズなど粘着性の高いものは、抜歯後の穴や縫合部分に付着しやすく取り除きにくいため、細菌が繁殖し、口臭が強くなる可能性があります。
術後数日は、やわらかく喉ごしの良い食べ物を選び、口内に汚れを残さないようにしましょう。
水分補給
口臭予防に欠かせないのが、唾液です。
唾液は食べかすを洗い流し、細菌の繁殖を抑える働きがあります。
しかし、術後の不快感や食欲の低下、薬の影響などで水分摂取が減ると、唾液の分泌も減少してしまいます。
唾液が減ると口内が乾燥して細菌が増えやすくなるため、意識してこまめに水分を摂ることが大切です。
親知らずの状態と口臭リスクの関係

親知らずの状態によって、抜歯後の口臭リスクは異なります。
例えば、骨の中に埋まっている親知らず(埋伏歯)の抜歯は外科的処置が複雑になりやすいため、術後のダメージが大きく、傷口に汚れや出血が残りやすくなるため、口臭が起こりやすくなります。
また、虫歯や歯周病になっていた親知らずは、抜歯前から口臭の原因になっていた可能性があります。
抜歯によってこうした細菌が傷口に残ると、炎症や感染を引き起こし、さらに強いにおいが出ることもあります。
歯科医院を受診すべきサイン
抜歯後の口臭が数日たっても改善せず、むしろ悪化している場合は、何らかのトラブルが起きている可能性があります。
例えば、強い痛みや腫れがあるときは、感染症やドライソケットの可能性が考えられます。
また、発熱や膿などが見られる場合は、感染が広がっている可能性があります。市販薬での対処は控え、できるだけ早く歯科医院を受診しましょう。
まとめ

親知らずの抜歯後に感じる口臭は、多くの場合は抜歯後の自然な過程で起こる一時的なものです。
しかし、汚れがたまっていたりケアが不十分だったり、感染が起こったりしている可能性もあります。
痛みや異変を感じたら、早めに歯科医院に相談するようにしましょう。
記事監修:歯周病学会認定医 歯科医師 深澤智人
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