ソケットリフトとサイナスリフトの違いやそれぞれのメリット・デメリットを解説
2025/02/26

こんにちは、国立駅徒歩3分の歯医者、国立深澤歯科クリニックです。
骨量が不足している上顎部分にインプラントを埋め込む際に利用される技術として、ソケットリフトとサイナスリフトという二つの手法があります。
これらは、上顎洞(サイナス)の近くにインプラントを埋入する際の骨造成法です。
本日は、ソケットリフトとサイナスリフトのそれぞれの特徴、メリット・デメリットについて解説します。
ソケットリフトとは
ソケットリフトは、上顎の骨の厚みがやや不足している場合に行われる手術法です。
インプラントを埋入する際に上顎洞の底面を少し持ち上げて、そこに骨補填材を補うことで厚みを増し、インプラントの安定を図ります。
この手法では、インプラントの埋入と骨造成を一度に行えるため、患者さんの負担が軽減されるという特徴があります。
ソケットリフトの治療の流れ
まず局所麻酔を施し、かみ合わせ面から歯ぐきを切開します。
その後、専用のドリルを用いて歯槽骨に穴をあけ、上顎洞の底部に位置する粘膜を慎重に持ち上げ、形成されたスペースに骨補填材の注入とインプラント体の埋入を行います。
その後、3カ月から半年ほどの経過観察期間をとり、骨が安定化したら上部構造である人工歯を取り付けます。

ソケットリフトのメリット
ソケットリフトのメリットは、インプラントの埋入と骨造成を一度に行えることです。
傷口も小さく済むため、侵襲が少なく、術後の腫れや痛みが抑えられやすいというメリットもあります。
ソケットリフトのデメリット
ソケットリフトは、骨の増量が必要な範囲が狭い場合に適用となるため、もともとの骨の厚みがある程度あることが前提となります。
骨の不足が大きい場合にはソケットリフトでは対応できず、サイナスリフトなどのほかの方法の検討が必要です。
ソケットリフトの治療期間と費用目安
ソケットリフトの一般的な治療期間は4ヶ月から半年程度です。
治療費用は3万円から15万円が相場となっており、この費用にインプラントや上にかぶせる人工歯の費用が追加されます。
当院では5万円で行っております。
サイナスリフトとは
サイナスリフトは、上顎の骨が大きく不足している場合に用いられる手術法です。
この手法では、上顎洞の外側の壁を切開し、粘膜を持ち上げて、その下に骨補填材を充填します。
骨不足が深刻なケースでも対応可能であるため、より広範囲にわたる骨造成が必要な場合に適しています。
サイナスリフトの治療の流れ
局所麻酔を施したうえで側面から歯ぐきを切開し、歯槽骨に穴をあけます。
できた穴から上顎洞底部の粘膜を持ち上げ、骨補填材を注入したうえで縫合します。
その後、半年から1年ほどの経過観察期間をとり骨が定着したら、インプラントの埋入手術を行います。

サイナスリフトのメリット
サイナスリフトのメリットは、広範囲の骨造成が可能である点です。
多数の歯が欠損している場合に適しており、広い範囲において骨の厚みが十分でない場合にも、サイナスリフトを行うことでインプラント治療が可能になる可能性があります。
サイナスリフトのデメリット
サイナスリフトは、広範囲にわたって歯を失っている場合にも適応できるというメリットがある反面、ソケットリフトよりも治療期間が長く、患者さんにかかる負担が大きくなるというデメリットがあります。
骨造成後にインプラントの埋入を行うため、治療期間は半年を超えるのが一般的です。
また、ソケットリフトに比べて手術後の侵襲が大きく、術後の腫れや痛みがでやすいというリスクもあります。
サイナスリフトの治療期間と費用目安
サイナスリフトは、より大規模な骨造成が必要となるケースに対応した方法であり、その分治療期間も長くなります。
骨補填材が安定し、インプラントを支える十分な骨量が形成されるまでの期間が必要となるため、一般的には半年から1年程度かかります。
また、治療費用については、ソケットリフトに比べて高額になるケースが多く、相場は20万円から40万円ほどです。
当院では、15万円で行っております。
費用の幅は、手術の複雑さや使用する材料、施術を受ける地域や歯科医院によって異なるため、サイナスリフトを検討する際には、治療の質や長期的なメリット・デメリットを踏まえたうえで、総合的に判断するようにしましょう。
ソケットリフトとサイナスリフトの注意点
ソケットリフトとサイナスリフトは、どちらもインプラント治療を成功させるために重要な骨造成の手術方法ですが、それぞれに特有の注意点があります。
ソケットリフトの注意点
まずソケットリフトは、上顎洞粘膜を持ち上げる手技であるため、粘膜を傷つけたり破ってしまったりするリスクがあります。
また、ソケットリフトは限られた範囲での骨造成に適しているため、もともとの骨構造が大きく不足していると、この方法だけでは十分な結果が得られない可能性があります。
サイナスリフトの注意点
サイナスリフトに関しては手術自体がより侵襲的であるため、全身の健康状態を事前に評価することが重要です。
特に、鼻や上顎洞に問題がある場合、手術によって合併症を引き起こすリスクが高まります。
また、サイナスリフトは炎症を起こしやすい環境になることもあるため、術後の感染予防策もとても重要です。
定期的に歯科医院でのチェックを受け、異常が見られた場合は早めに対応する必要があります。
ソケットリフトもサイナスリフトも、治療期間中はもちろん、インプラントを埋入した後も定期的に通院し歯科医師によるチェックとメンテナンスを受ける必要があります。
定期検診を怠ると、細菌感染やインプラントの脱落などのリスクがあるため注意が必要です。
まとめ

ソケットリフトとサイナスリフトは、どちらも上顎部における骨造成を目的とした手術法であり、それぞれに特徴があります。
ソケットリフトは、手術回数が少なく患者さんへの負担が少ない一方で、骨不足の範囲が限定されるケースにおいてのみ適応となります。
対してサイナスリフトは、骨造成が広範囲にわたって必要なケースに適しています。
ただし、手術が侵襲的で、ソケットリフトよりも術後のリスクが伴うため、より慎重な判断が求められます。
患者さん自身がそれぞれのメリット・デメリットを理解したうえで、歯科医師と十分に相談を行い治療法を選択することが重要です。
当院では、ソケットリフト、サイナスリフトどちらも対応可能です。
インプラント治療に関する無料相談も行っておりますので、ご自身の歯の状態でお悩みの方はまずはお気軽にご相談ください。
記事監修:歯科医師 深澤智人
国立深澤歯科クリニック :https://www.fukazawashika.com/
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