早めの対処が大切な「オーラルフレイル」とは?症状や対処法を解説
2025/02/10

こんにちは、国立駅徒歩3分の歯医者、国立深澤歯科クリニックです。
「オーラルフレイル」という言葉を耳にしたことはありますか?
これは、老化や特定の状況により、口腔機能が低下する現象を指しています。
私たちは普段の生活の中で、食べる、話す、飲み込むといった基本的な行為を無意識に行っていますが、これらの機能は決して当たり前にできるものではなく、年齢や生活習慣の影響で変動します。
今回は、オーラルフレイルの概要やそのリスク、予防のための3つの大切な柱、セルフチェックの方法、予防策について解説します。
オーラルフレイルとは

オーラルフレイルとは、口腔機能の衰えを意味する概念です。
歳を重ねるごとに筋力や感覚は徐々に衰えていきますが、これが口腔機能において起こると、食べ物をかむ力や飲み込む力、発音能力が低下していきます。
そのような「口腔機能が低くなってきた状態」をオーラルフレイルと呼びます。
オーラルフレイルには、外出機会の減少や気分の浮き沈みなどと関連して起こることがあるという特徴があります。
そして、オーラルフレイルの状態を放置すると、将来の疾病リスクや要介護リスクなどが高くなることもわかっています。
そのためオーラルフレイルは、早期に気付いて対策を講じることが大切です。
また、ご高齢の方だけでなく、中高年の人々にも関係している問題であることを理解し、日常生活の中で意識する必要があります。
口の機能が低下することのリスク

口の機能が低下すると、さまざまな健康リスクが増大します。その一つは栄養不良です。
しっかりと食べ物をかむことができないため、栄養摂取量が減少し、低栄養につながります。
栄養が不足すると体力が低下し、免疫力も落ちるため、感染症やそのほかの疾病リスクが高くなります。
さらに、飲み込む力が弱くなることで誤嚥のリスクも高まります。誤嚥が続くと、食べ物や飲み物が誤って気道に入り、誤嚥性肺炎を引き起こす危険性が増します。
これは特に高齢者に多く見られる問題であり、健康を大きく損なう原因の一つです。
また、口腔機能の低下は滑舌の悪化を招くこともあり、発音が不明瞭になると、周りの人とのコミュニケーションが取りづらくなる可能性があります。
これにより孤立感や疎外感などを覚えるようになったり、うつ症状の一因となってしまうこともあります。
オーラルフレイル予防の3つの柱
オーラルフレイルの予防には、栄養、身体活動、社会参加の3つの柱が重要とされています。
十分な栄養摂取

まず、栄養に関しては、口腔機能を維持するための基盤です。
しっかりとしたかむ力を保つことは、十分な栄養摂取につながります。
食事の際にはさまざまな食品をバランスよく取り入れ、たんぱく質やビタミン、ミネラルが不足しないように心がけましょう。
適度な運動(身体活動)

身体活動も、オーラルフレイル予防において欠かせない要素です。
適度な運動は全身の筋力維持はもちろん、口周りの筋肉の強化にもつながります。
また、身体活動は心身の健康を促進し、生活の質を高めることにもつながります。
「毎日少しだけだとしても外に出て散歩をする」「5分だけ筋力トレーニングをしてみる」というように、取り入れやすい運動にトライしてみましょう。
周囲の人とのコミュニケーション(社会参加)

最後に、社会参加です。
周囲の人とコミュニケーションをとること、社会とのつながりを保つことは、心の健康を維持するだけでなく、口腔機能の維持にもつながります。
就労やボランティア、趣味の集まりなどを通じて、多くの人と交流する機会を持つことが大切です。
オーラルフレイルのセルフチェック

自分自身のオーラルフレイルの兆候を把握するために、セルフチェックをしてみましょう。
例えば、半年前に比べて硬いものが食べにくくなったと感じるでしょうか。
もしもこのような変化がある場合は、口腔機能が低下している可能性があります。
また、お茶や汁物でむせることが増えたと感じるなら、誤嚥の初期症状が出ているかもしれません。
インプラントや入れ歯を使用している方の場合、ご自身の歯は何本残っているでしょうか。
19本以下の場合にはオーラルフレイルのリスクがありますので、歯科医院に相談しましょう。
また、口の乾きを感じることが増えた場合は、唾液の分泌量が低下していると考えられます。
さらに、歯磨きの回数が1日に1回以下の方や、1年以内に歯科医院への受診歴がない方なども、オーラルフレイルのリスクがあります。
これらのセルフチェック項目で2つ以上該当する項目がある場合、すでにオーラルフレイルと呼ばれる状態になっている可能性があります。
さらなる機能低下を防ぐためにオーラルフレイルの進行予防に努めることが必要です。
オーラルフレイル予防のために大切なこと
口周りのトレーニングをする
口周りのトレーニングを日常的に行うことは、オーラルフレイルの予防につながります。
頬や唇を動かす口腔体操や、かむ力を強化するためのガムを使用したエクササイズなど、自宅でできるエクササイズを教えている歯科医院は多くありますので、無理なくできるエクササイズから取り入れてみましょう。
歯磨きやフロッシングで、口の中を清潔に保つ

さらに、日々のデンタルケアをきちんと行うことも大切です。
歯磨きやフロッシングを欠かさず行い、口の中を常に清潔に保つことで、歯周病や虫歯を予防しましょう。
定期的に歯科医院を受診する

健康な口内環境を維持するためには、歯科医院での定期的なチェックも欠かせません。
歯科医師・歯科衛生士による口腔内の検査とクリーニングにより、早期発見や健康状態の維持が可能になります。
保湿剤などを利用して口内の潤いを保つ
加齢による口内の渇きを防ぐためには、保湿剤を使用するという手があります。
口腔内の保湿は、虫歯や歯周病予防だけでなく、滑舌の改善や口臭の悪化防止にもつながります。
まとめ

オーラルフレイルはちょっとした口腔機能の低下から始まりますが、日頃から意識し、対策を講じることで、その進行を防ぐことが可能です。
バランスの取れた栄養摂取、適度な運動、社会とのつながりを保つことを念頭に置き、セルフケアに努めるようにしましょう。
また、日常的なデンタルケアを怠らず、歯科医院での定期メンテナンスを受けることも口内の健康を保つために大切です。
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