顎関節症の人はガムをかんではいけない?顎関節症の人が気を付けることを解説
2024/12/10
こんにちは、国立駅徒歩3分の歯医者、国立深澤歯科クリニックです。
「ガムをかんでいるとあごが痛くなる」
「長時間ガムをかむことが習慣になっているけれど、大丈夫なのだろうか」
口寂しさを解消するためや口の中をすっきりさせるために、ガムをよくかむという方は多いかと思います。
しかし、長時間ガムをかむことには、顎関節症のリスクがあることをご存じでしょうか。
この記事では、顎関節症の基本的な情報や、顎関節症の人がガムを食べる際に気をつけるべきポイントについて解説します。
顎関節症とは
顎関節症は、口を開けたり閉じたりする際に痛みや違和感、異音といった症状が生じる状態を指します。
あごの関節は耳の前方にあり、骨や筋肉、じん帯などから構成されています。
顎関節症は、この顎関節がさまざまな要因によりバランスを崩すことで生じます。
顎関節症の症状
顎関節症の症状は複数あり、人によって感じ方が異なることが特徴です。
代表的な症状としては、あごを動かすときの痛みがあります。
口を大きく開ける際や固いものを食べるときに特に強く感じられることが多く、こめかみや耳の周辺にも広がることがあります。
また、これが原因で片頭痛や耳鳴りが生じることもあります。
次に挙げられるのは、口を開閉する際の音です。
あごを動かしたときに「カクカク」と音がするケースが多く、そのほか「ゴリゴリ」「ザラザラ」といった音がすることもあります。
また、口を十分に開けられない、いわゆる開口制限も挙げられます。
これは、起床時に特に感じることが多い症状です。
日中はそれほどでもないと感じる方もいますが、進行すると日常的に感じることが増えるため、注意が必要です。
加えて、あごの動かしづらさから咀嚼回数が減ったことによる消化不良や胃の不快感、肩や首のこりなど、あごとは直接関係のないように見える部位にまで影響が及ぶことも少なくありません。
顎関節症の原因
顎関節症は、特定の原因を断定することは難しく、複数の要因が重なって生じると考えられています。
その中で挙げられる原因の一つに、歯ぎしりや食いしばりがあります。無意識で行っている歯ぎしりや食いしばりによる顎関節への負担が、顎関節症の一因になると考えられています。
また、かみ合わせの不調も考えられる原因の一つです。
かみ合わせが悪いと、あごの筋肉や関節に不均衡な力が加わるため、顎関節のずれや筋肉の緊張を引き起こす原因となります。
そのほか、生活習慣や姿勢も原因に含まれます。
例えば、うつむいてスマートフォンを長時間見る習慣や、片側のあごを多く使用する癖、頬杖をつくなどの姿勢の悪さがあごに負担を与えることがあります。
さらには、外傷や炎症、関節の変性疾患も顎関節症の発症に関連していることがあります。
顎関節症の治療法
顎関節症の治療は症状の程度や原因によって異なるため、個々のケースに合わせて行うことが大切です。
そのうえでまず必要となるのは、症状の軽減と根本的な原因に対処するための非侵襲的治療です。
具体的には、生活習慣の見直しや姿勢の改善、ストレス管理などを行います。これらのほかに、あご周辺のストレッチやマッサージにより、筋肉の緊張緩和や血流促進を促すこともあります。
歯ぎしりや食いしばりが原因とされる場合は、ストレス管理のほか、ナイトガードと呼ばれるマウスピースの装着により、夜間の歯ぎしりの抑制、顎関節への負担の軽減を試みます。
また、かみ合わせのバランスが崩れている場合には、詰め物やかぶせ物の高さの調整や矯正治療によりかみ合わせを整えます。
薬物療法としては、痛みを和らげるための非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)や、筋肉の緊張をほぐす筋弛緩薬が処方されることがあります。
これらの薬剤は痛みや炎症を抑える作用が見込めますが、根本的な原因に対処するわけではなく、症状の緩和を目指すものです。
それでも症状に変化がない場合、最終手段として外科的治療が検討されることがあります。
具体的な手術法としては、関節鏡を使用した手術あるいは関節を切開して行う手術となります。
顎関節症の人がガムをかむことの影響
顎関節症の方にとって、継続的にガムをかむことは顎関節に過度な負担をかけ、痛みを悪化させる原因になります。
また、かみ合わせがさらに悪化するリスクが高まるため注意が必要です。
ガムを長時間かむことで歯そのものにダメージを与えることもあります。加えて、ガムをかむことで顎周辺の筋肉が疲労し、筋肉痛や頭痛を引き起こすことがあります。
ガムをかむことのメリット
ガムをかむことが顎関節症のリスクになる一方で、ガムをかむことにはメリットも存在します。
たとえば、ガムをかむことで唾液が分泌されやすくなり、口腔内の健康を保ちやすくなります。
唾液は、食事の消化を助けるだけでなく、口内の細菌を洗い流し、歯の脱灰を防ぐ役割を持っています。
また、ガムをかむことによってリフレッシュ感が得られ、集中力アップなどにつながるというメリットもあります。
顎関節症の人がガムをかむためには
それでは、顎関節症の人がガムをかみたい場合、どのようなことに気をつければよいのでしょうか。
まずは、ガムをかむ時間をできるだけ短くし、頻度を抑えることが重要です。
そして、ガムを強くかみすぎないようにしましょう。
加えて、左右のあごを均等に使ってかむように心がけ、片側ばかりに負担をかけないことも大切です。
顎関節症の人が控えるべきこと
片方のあごばかり使用して食事をする
片方のあごばかりを使用して食事をすることは避けましょう。
左右均等にあごを使い、負担を分散させることが、顎関節へのストレスを軽減します。
頬杖やうつぶせ寝
頬杖をつくことやうつぶせ寝といった姿勢も避けましょう。
これらの姿勢はあごに不自然な圧力をかけるため、症状が悪化する原因となります。
歯ぎしり・食いしばり
歯ぎしりや食いしばりは、顎関節症に直接的に悪影響を与えます。
専用のマウスピースを使用するなどして対策を講じましょう。
市販のマウスピースを使用する
歯ぎしりや食いしばりによる負担を軽減するためにマウスピースを使用する際は、市販のマウスピースを選ぶことは避けましょう。
個々のあごの大きさや歯並びに合っていないマウスピースを使用することで、症状が悪化したり、別の問題が発生したりする恐れがあります。
長時間口を開けたままの歯科治療
長時間口を開けつづける動作は、症状を悪化させる可能性があります。
歯科治療などによりそのような必要がある場合には、事前に歯科医師に相談し、こまめに休憩をとるなどの対策を講じるようにしましょう。
まとめ
ガムをかむことが習慣になっている方は多いですが、かむ時間やかみ方によっては顎関節症のリスクになることがあります。
長時間かみ続けない、強くかみすぎない、かむ頻度を落とすといったことに気を付け、顎関節の健康を守りましょう。
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