痛みがある歯と実際に問題がある歯が違う?歯痛錯誤について解説

      2025/01/10

国立市の歯医者、国立深澤歯科クリニックで、歯痛錯誤について解説

こんにちは、国立駅徒歩3分の歯医者、国立深澤歯科クリニックです。

歯の痛みは、虫歯や歯周病、知覚過敏などさまざまな原因で生じます。
しかし、中には原因特定が難しい場合もあります。その理由の一つが「歯痛錯誤」です。
痛みを感じている歯と問題が発生している歯が異なるこの現象は、正しい診断と治療を妨げるリスクがあります。

 

歯が痛む原因

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歯の痛みには多くの原因がありますが、中でもよく知られているのは虫歯です。
虫歯は、口腔内の細菌が糖を分解して酸を生産し、その酸によって歯のエナメル質が溶けてしまうことで起こります。
そして、歯の内部にまでダメージが及ぶと、神経が刺激されて痛みを感じるようになります。
さらに、歯周病も痛みの原因の一つです。歯肉や歯槽骨が炎症を起こし、組織が破壊されていく過程で痛みや不快感が生じます。

また、虫歯や歯周病以外にも、知覚過敏や歯の亀裂が痛みを引き起こすことがあります。
知覚過敏は、歯のエナメル質がすり減ることで象牙質が露出し、外部刺激に対して敏感になる状態です。
冷たい飲み物や甘い食べ物でも痛みが生じます。
歯の亀裂は、咬合力や物理的な外力によって歯にひびが入ることが原因で、かむときに鋭い痛みが走ることがあります。

 

歯痛錯誤とは?

国立市の歯医者、国立深澤歯科クリニックで、歯痛錯誤について解説

歯痛錯誤は、痛みを感じている歯とは異なる歯や部位に問題がある状態です。
これは、痛みの感じ方に関する神経のメカニズムによって引き起こされます。
痛みの原因となる信号が脳で処理される際に、実際の患部とは異なる場所で痛みを感じていると誤認することで、患者さんが痛みを訴える部位と実際の原因が食い違う場合があるのです。

歯痛錯誤の問題の一つとして、診断が難しくなるという点があります。
患者さんが痛みを訴える部位にはトラブルが生じていないため、痛みのある歯をどれだけ詳細に検査しても原因を特定することができません。
レントゲン撮影やそのほかの検査と診断を詳細に行うこと、歯科医師が丁寧に説明を行い、患者さんは疑問や不安を遠慮なく歯科医師に伝えることが大切です。

 

歯痛錯誤の症状

歯痛錯誤には、痛みを感じる位置が曖昧であったり、複数の歯や異なる部位に痛みが生じたりといった特徴があります。
また、痛みの性質自体も多様です。
にぶい痛みが続く場合や、鋭い痛みが瞬間的に走る場合など、さまざまな種類の痛みが起こります。
冷たいものを摂取した際に痛む場合は知覚過敏が疑われることもありますが、歯痛錯誤による痛みである可能性も否定できません。
これらの症状をしっかりと把握し、歯科医師に伝えることが、正しく診断を受けるうえで重要です。

 

歯痛錯誤が起こる原因

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歯の神経は歯髄からあごを通じて顔面の複雑な神経ネットワークにつながっています。
そのため、ある歯に問題が生じると、その信号が隣接するほかの歯やあごの部位にも伝播することがあります。
「上の歯が痛いのに、虫歯があるのはその下の歯だといわれた」というような状況が起こるのはこのためです。
このような歯痛錯誤が起こっている場合に生じているトラブルは知覚過敏や虫歯が大半ですが、そのほかに根尖性歯周炎や歯周病でも歯痛錯誤が生じることがあります。

さらに、顎関節や筋肉の緊張、歯ぎしりなど、口腔内だけでなく全身的な要因も影響を及ぼすことがあります。
例えば、慢性的なストレスやホルモンバランスの崩れ、そしてそれらの要因が絡み合うことで、痛みが異なる部位に現れることがあります。

 

歯痛錯誤が起こりやすい歯

歯痛錯誤は、実際に問題のある歯ではなく、隣り合った歯や上下の歯に痛みが感じられる現象です。
そのため痛みの原因を特定しにくいですが、顔面部の感覚は三叉神経によって左右で別々に管理されているため、左右の歯で痛みを錯覚することは基本的にありません。

また、歯痛錯誤は特に知覚過敏や大きな虫歯による歯髄炎が原因で起こりやすいとされています。
これらの状況では、神経が刺激されることで痛みが広がり、個々の歯の特定が難しくなります。
逆に、歯周疾患や根尖病変のような問題では、痛みが明確な場所に限定されることが多いため、錯誤は起こりにくいとされています。

 

歯痛錯誤がある場合の治療法

国立市の歯医者、国立深澤歯科クリニックで、歯痛錯誤について解説

歯痛錯誤の治療は、まずその原因を特定することから始まります。
そのため歯科医師は患者さんから詳細な問診を行い、痛みの感じ方や場所、発生するタイミングなどを詳しく聞く必要があります。
その次に、レントゲン撮影やCTスキャンなどの画像診断を用いて、目に見えない部分の確認を行います。

診断結果に基づいて治療が始まりますが、原因が歯自体ではなく、あごや筋肉にある場合も少なくありません。
その場合、顎関節症の治療や、かみ合わせの調整、場合によってはストレス管理や生活習慣の改善も必要となります。
また、痛みを一時的に和らげるための鎮痛薬の処方や、特殊なマウスガードを用いることもあります。

 

歯痛錯誤を予防するためには

歯痛錯誤を予防するためには、口腔内の健康を維持することが大切です。
まず、定期的に歯科検診を受け、早期の段階で虫歯や歯周病といったトラブルを見つけるようにしましょう。
歯科医師による詳細なチェックを受けることで、痛みや腫れなどの自覚症状がまだ出ていない段階のトラブルを見つけやすくなります。

何よりも重要なのは、日ごろのブラッシングやデンタルフロスの使用により、細菌の繁殖を防ぎ、健康な口腔環境を保つことです。
特に就寝中は唾液の分泌量が減って細菌の繁殖が起こりやすくなるため、寝る前には丁寧に口腔ケアを行うようにしましょう。

さらに、ストレス管理や定期的な運動を通じて全身の健康状態を整えることも、痛みの予防につながります。
こういった生活習慣の改善により、歯だけでなく、関連するトラブルや痛みも予防しやすくなります。

 

まとめ

国立市の歯医者、国立深澤歯科クリニックで、歯痛錯誤について解説

歯痛錯誤は、口腔の複雑な神経系に由来するもので、痛みの原因を特定するのが難しい現象です。
歯以外に問題が生じている場合もありますが、問題が生じている歯と隣接している歯によく起こるため、定期的な歯科検診と日常的なセルフケアを通じて口腔内の健康を維持することが大切です。
日々のケアと定期検診を心がけましょう。

 



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